【13.02.15】行き場のない高齢者、介護保険では救えない
最近の労働相談から見えてきたこと
年度末。この時期は労働相談が多い時期だ。有期契約の雇止めのほか、次年度の労働条件を一方的に改悪する提案が出される時期だからでもある。
最近ある民間会社のデイサービスで働く人から労働相談をうけた。
詳細は省くが、とにかくひどい実態。公共職安に嘘の労働条件を提示しておいて、面接に来た人を「釣る」やり方はもちろんのこと、24時間断続勤務、年次有給休暇をごまかすなど枚挙にいとまない。いずれ告発しよう思う。
さて、ここで言いたいことはそんな劣悪な労働環境にあるデイサービスの実態だ。このデイサービスはいわゆる「お泊りデイ」もおこなっているが、事業所は民家を何も改造することなく使用しているだけ、あきれたことに炊飯器は依然居住していた人がおいて行ったものを使っている。男女別に寝かせるスペースもない。大雪が降った日は積雪の中で冬タイヤもチェーンもつけず送迎をしている。
この話を聞くと、「自分の親は(妻は)利用させたくない」と思うだろう。しかし特別養護老人ホームにも入所できない実態で、自分の生活といかに両立させるのかという葛藤を起こさせる「共助」「自助」「家族の責任」の押し付けが家庭で介護するものを苦しめ、やむを得ず劣悪な施設と半分わかっていながらあずけるといった状態だ。
お泊りもできるデイをうたっているが、一部の高齢者はほぼ365日おり、1か月に1回くらいの割合で「家に数時間いる」状況しかない。「施設から地域」ではなく、「施設でも地域でもない」ブラックな実態が高齢者福祉の現状だ。
ごく一部の「幸運な」高齢者が特別養護老人ホームに入所できる以外は、(1)お金のある人は有料老人ホーム (2)お金があまりない人は今回のような施設利用 (3)お金も身寄りもない人は「たまゆら」のような介護保険でもない施設に入ることを余儀なくされる状況を改善させなければならない。
介護保険は国家的な詐欺だ!