
【16.03.17】福祉施設における労基法違反の実態がさらに深刻に
福祉施設における労働災害がついに7000件を突破!
3月11日に厚生労働省は、全国の労働基準監督署がおこなった2014年度の監督指導の結果や労働災害の認定件数などを発表しました。福祉施設の労基法違反・労働災害(精神疾患や心臓脳疾患以外)の実態は2013年度と比べ悪化しています。
これによると、労働基準監督署が定期監督(無作為に事業所を抽出して事業所に労働基準法などが守られているがを確認する)した5690件の福祉施設のうち75.8%の施設で何らかの労働基準法違反があったと報告されています。(全産業の違反率は69.8%)
また介護保険前、東京では公私格差是正事業があった1998年度の違反率(31.1%)と比較すると、福祉施設の違法化が極端に進行していることがわかります。
福祉施設の働基準法などの違反ワースト5は以下の通りです。
1位 時間外・休日労働などの割増賃金が払われない
2位 労働時間が守られていない
3位 健康診断を受けさせていない
4位 就業規則が明示されていない
5位 雇用契約・労働条件が書面で交わされていない
着目すべきは、ここ数年福祉施設において「健康診断未実施」が急増していることです。
近年深刻化している健康問題に密接に関係していると考えられるだけでなく、利用者の健康問題にも影響を及ぼすことが必至といえる重大問題としてクローズアップする必要があります。
労働災害に被災した福祉施設労働者は過去最悪の7,224名にのぼりました(昨年6,831名)。労働災害被災者の6%を占めています。「福祉施設労働者の総数が増えているから」という見方もありますが、全産業の労働災害は減少または横ばいが続く中、激増していることは厳然たる事実です。
一番多いのは、腰痛やけいわんなど「動作の反動、無理な動作」34%、次いで「転倒」31.3%です。この2項目だけでおよそ被災件数の3分の2(4,716名)を占めます。
必ず決められた休憩時間をとり体の疲労をとる。人員を確保して無理な抱え込みなどの動作をしないことが可能となるような職場の実現をめざしましょう。
福祉職場でなやんでいるみなさん。福祉保育労東京地本にご相談ください